FI アカウント決定エラーの原因と確認ポイント
- teis11
- 11月5日
- 読了時間: 2分

FIとMMが連携する処理の中で、伝票転記時に「勘定設定が見つかりません」**というエラーが発生することがあります。これは、SAPが取引に対して参照すべき勘定科目を特定できていない状態です。特に、購買・入庫・受入・在庫評価に関連する取引でよく見られるエラーです。
エラー発生の背景
SAPでは、購買や在庫取引に対応した仕訳を自動生成するために、アカウント決定(Automatic Account Determination)**の仕組みが用意されています。MMとFIをまたぐ仕訳は、OBYCの設定を通じて、評価クラスや取引キーに基づき勘定科目が導出されます。
このため、アカウント決定のどこかに不整合があると、勘定科目が特定できず、今回のエラーが発生します。
主な原因
内容 | 備考 |
OBYCに該当の勘定科目が登録されていない | 最も多いパターン |
取引キー(例:BSX、WRXなど)の設定漏れ | MM連携時に使用 |
材料マスタの評価クラスが異なる | 評価クラスとOBYCの紐づき不一致 |
会社コード × 科目表 × 勘定の不整合 | マルチ会社環境で起きやすい |
解決手順(標準プロセス)
どの取引でエラーが発生したか確認する入庫、請求、在庫差異など、トランザクション内容を把握する。
対象となる取引キーを特定する例:
在庫増加 → BSX
受入差額 → WRX
原価差異 → PRD
OBYCで該当取引キーに勘定科目が登録されているか確認する
T-code: OBYC
評価クラスが異なる場合、導出に失敗するため、材料マスタ(MM03)との整合も合わせて確認する。
必要に応じて勘定を追加し、仕訳生成を再テストする
例:仕入時(MM→FI)の代表的な取引
取引内容 | 取引キー | 説明 | 科目例 |
在庫計上 | BSX | 在庫勘定の更新 | 在庫勘定 |
受入債務計上 | WRX | 仕入と債務の差額調整 | 受入金勘定(GR/IR) |
評価クラス × 取引キー × 会社コード の組合せにより最終的な勘定が決まります。
実務上の確認ポイント
項目 | 確認T-Code | 内容 |
材料評価クラス | MM03 | 材料の評価区分 |
アカウント決定設定 | OBYC | 取引キーごとの勘定割当 |
科目表の割当 | OB62 | 会社コードと科目表の関連 |
勘定科目の設定 | FS00 | 勘定が使用可能か |
設定が正しくても、評価クラスの取り違えが原因になることは多いため、必ず両方確認することを推奨します。
まとめ
本エラーは、アカウント決定ロジックのどこかが欠落しているときに発生する。
解決には、取引キー → 評価クラス → 勘定割当 の順に確認するのが効率的。
FIとMMの接続ポイントを理解することで、再発防止や設定精度の向上につながる。



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