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Sales Cloud入門:リードから受注までの商談プロセスを図解

Sales Cloudの価値は「顧客一覧を置き換えること」ではなく、<b>商談の進み方を標準化し、予測できるようにすること</b>にあります。本記事では、リードから受注までのデータの流れと、最初に決めるべきステージ・必須項目・予測の設計を整理します。

公開日:2026-09-12読了目安:約10分閲覧数:

この記事のポイント

  • Sales Cloudの中心はリード → 商談(Opportunity)→ 見積 → 受注の流れ。受注後にSAPへ渡す設計が成否を分ける
  • ステージ(フェーズ)は営業の実態に合わせて自社で定義する。標準のステージ名をそのまま使うと現場が入力しなくなる
  • 予測(Forecast)は「金額×確度×期日」が入力されて初めて機能する。必須項目の設計が予測精度を決める
  • 商品・数量・金額は商品オブジェクトと価格表で管理し、SAP側の品目・価格と対応表を持つ
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「商談のステージって、最初から全部きれいに決めないとダメ?」——いいえ、まず3〜5段階から始めるのが現実的です。運用しながら調整できます。

01WHAT リードから受注まで、データは「持ち主」を変えながら進む

Sales Cloud では、見込み客はまず Lead(リード)として登録されます。見込みがあると判断した時点で、取引先(Account)・責任者(Contact)・商談(Opportunity)に変換(Convert)し、以降は商談を中心に金額・期日・ステージを管理します。見積が必要な場面では Opportunity に商品(Products)を紐づけ、受注したら SAP 側で販売伝票として登録されます。Salesforce は「受注前のプロセス」を持ち、SAP は「受注以降のプロセス」を持つという分担が典型的です。

ステージ設計:現場が入力したくなる段階にする

ステージ(フェーズ)は、受注確度(Probability)とセットで予測に使われます。重要なのは段階数より「次の1手が決まる」粒度です。「初回訪問」「提案」「見積提出」「最終交渉」「受注」のように、各段階で顧客側に何が起きていれば次へ進めるかを定義しておくと、担当者の判断がぶれず、離脱(失注)理由も記録に残ります。標準の7段階をそのまま使うと、自社の商習慣と合わない段階が形骸化し、入力漏れの原因になります。

必須項目は最小限にする

必須項目を増やすと入力率が下がり、データが使えなくなります。最低限必要なのは、金額・クローズ予定日・ステージ・商品(品目)・競合情報の5つです。特に「金額」と「クローズ予定日」が空だと予測が成立しないため、ステージ進行時に必須にするなど、入力のタイミングで設計するのが効果的です。

受注前はSalesforce、受注後はSAPが受け持つ1リードLead2商談Opportunity3見積Quote4受注SAP へ連携
商談(Opportunity)が受注前プロセスの中核。受注の確定をSAP側の伝票に渡し、以降はSAPが「正」を持つ
💡

補足:Lead と Contact の違い

Lead は「まだ顧客になっていない見込み」。Contact は「取引先に所属する担当者」です。Lead のまま名刺情報を溜める運用は、重複や担当者不明の原因になるため、見込み判断後に速やかに変換します。

02POINTS Sales Cloudを立ち上げる4つの手順

  1. 商品と価格表を先に作る。商品(Product)・価格表(Price Book)・数量単位を決めます。ここが曖昧だと商談金額が人力入力になり、予測と請求がずれます。
  2. ステージと確度を定義する。3〜5段階のステージと確度(%)を対応させ、各段階の「次にやること」を項目にします。
  3. 必須項目と入力タイミングを決める。金額・クローズ予定日・商品を、ステージ進行や商談保存の条件として設定します。
  4. レポートと予測を作る。担当者別・月別のパイプラインと予測を作り、営業会議でそのまま使える画面にします。会議で使われれば入力が定着します。
始めに作る3つの情報(これが無いと予測できない)商談:金額と期日・金額・クローズ予定日・ステージと確度・競合・失注理由商品:品目と数量・品目コードはSAPと対応・単価・数量・割引・見積の版管理活動:次の1手・活動履歴・タスク・次回アクション日・顧客との連絡記録
商談・商品・活動の3つが揃うと、見込み金額と実行計画が同時に見える。どれか欠けると予測は「願望」になる

品目コードは最初にSAPと突き合わせる

商品の品目コードを Salesforce 独自に採番すると、受注連携のたびに変換表のメンテナンスが必要になります。開始時に SAP の品目コード(または共通コード)に合わせておくと、連携項目表が単純になり、障害時の切り分けも容易になります。

03INSIGHT 「入力が続く設計」と「SAPへ渡せる設計」を同時に作る

Sales Cloud の失敗パターンは、機能を作り込んだのに現場が入力しない、あるいは入力されても受注連携でデータが足りずに手作業が残る、という2つです。この両方を避けるには、営業会議で使うレポートから逆算して項目を決めるのが有効です。会議で使われない項目は入力されず、連携に必要な項目は必ず会議の論点になります。

当社は、商談ステージと必須項目の設計、SAP との連携項目表の作成、レポート/ダッシュボードの整備、運用開始後の改善までを支援します。特に受注連携では、SAP 側の与信・在庫・与価のチェック結果を Salesforce に戻す設計まで含めることで、「受注したのに SAP で止まっている」状態を営業が把握できるようにします。

導入初期に必ず論点になるのが、既存顧客データの登録です。名寄せ・重複排除・活動履歴の移行をどの粒度で行うかは、その後の分析精度に直結します。おすすめは、「商談中・見込みあり」のデータから先行登録し、休眠データは後回しにする進め方です。全件を一度に整備しようとして着手が遅れるより、営業がすぐ使える状態を作ってから拡張するほうが、現場の協力も得やすくなります。

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豆知識:ダッシュボードは「見る人」ごとに分ける

経営向け(金額・確度・期日)、マネージャー向け(担当者別の滞留)、担当者向け(次の1手)でダッシュボードを分けると利用率が上がります。全員に同じ画面を見せると、誰にとっても「自分のためではない画面」になります。

まとめ

  • Sales Cloudの中心はリード→商談→見積→受注の流れと、受注後のSAP連携
  • ステージは自社の商習慣に合わせて3〜5段階から始める
  • 必須項目は金額・クローズ予定日・商品・ステージ・競合に絞る
  • 商品と価格表を先に作り、品目コードをSAPと対応させる
  • レポートを営業会議で使い、入力が続く循環を作る

出典・参考

※本記事は上記の公開情報をもとに、アラディンテクノロジー株式会社編集部が独自に整理・考察したものです。内容は執筆時点(2026-09-12)の情報です。考察部分は当社の見解であり、特定の製品・導入を推奨するものではありません。

04FAQ よくある質問

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ステージや必須項目の設計は、相談の多いテーマです。よく聞かれる4つをまとめました。
ステージは何段階が適切ですか?

3〜5段階から始めることを推奨します。各段階で「顧客側に何が起きていれば次へ進めるか」を定義できる粒度が重要で、段階数そのものより定義の明確さが予測精度に効きます。

見積はSalesforceとSAPのどちらで作りますか?

受注前の見積は Salesforce(Quote/商品)で作り、受注後に SAP の販売伝票・請求へ渡すのが一般的です。金額の最終的な「正」は SAP 側に置きます。

入力されない場合はどうすればよいですか?

必須項目を増やすのではなく、営業会議や週報で使うレポートを Salesforce 上に作り、入力がそのまま自分の業務効率になる状態を作ります。使われない項目は削除も検討します。

モバイルでの利用は現実的ですか?

商談前後の確認・活動記録はモバイルで完結させられます。入力項目を絞ったモバイル用の画面レイアウトを用意すると定着しやすくなります。

予測(Forecast)はどのように設定しますか?

予測は「金額×確度×期日」が入力されていることが前提です。まず商談の金額・クローズ予定日・ステージ(確度)を必須にし、担当者別・月別の集計を作ります。予測の対象期間と集計単位を営業会議の運用に合わせることが重要です。

商談プロセスの標準化と、
SAP連携まで一気通貫で

ステージ・必須項目の設計から、SAPの受注・請求への連携、レポート整備まで支援します。現行の商習慣を伺ったうえで、無理のない設計をご提案します。

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この記事について

執筆

アラディンテクノロジー株式会社 編集部

SAP・Salesforce・ServiceNow 領域の導入支援に携わるコンサルタントと編集スタッフが、公開情報と実務経験をもとに整理しています。

監修

劉 瑞

アラディンテクノロジー株式会社 代表取締役社長。SAP ABAP 開発からコンサルティングまで15年。執筆・監修体制

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