SAP FIモジュール 反対仕訳とマイナス転記 ― 基本概念からSPROカスタマイズまで
- teis11
- 7月12日
- 読了時間: 3分
この記事でわかること
反対仕訳とマイナス転記の違い
FB08/F.80を使った伝票取消フロー
SPROで行うカスタマイズ手順(会社コード設定・反対仕訳理由・Neg転記・代替転記日)
FIコンサルが押さえるべき運用&内部統制の勘所
1. 反対仕訳とは?
上記の元仕訳を 取消 したい場合、借方・貸方を入れ替えて計上するのが「反対仕訳」です。
誤伝票を論理的に相殺するための最も一般的な方法
SAPでは「Reverse Posting(Storno)」と呼ばれ、必ず元伝票番号と紐づく
2. マイナス転記とは?
金額そのものに “–(マイナス)” を付けて相殺
Neg転記可 の設定が会社コード × 反対仕訳理由の両方でオンになっている場合のみ利用可能
利点:大量データを一括修正するときに仕訳数を抑えられる
注意:簿記上は変則的。監査方針によっては認められないケースも
3. 反対仕訳の投入手順
操作のポイント
反対仕訳理由を必須入力
「転記日」を変更可能にしたい場合は 代替転記日 パラメータを使う
取消後のステータスは 「反対仕訳済」 で一目瞭然
4. SPRO:カスタマイズ手順
Tips
Neg転記フラグ … 反対仕訳理由ごとに「X」を付ければマイナス転記可
代替転記日フラグ … 会計期間クローズ後に訂正が発生する組織では必須
5. 内部統制・運用時のチェックリスト
まとめ
反対仕訳=貸借逆転、マイナス転記=金額にマイナス。どちらも誤伝票訂正だが運用・監査上の扱いが異なる。
SAPでは FB08/F.80 を使い、必ず元伝票と紐づけて取消する。
Neg転記を使う場合は 会社コード設定+反対仕訳理由 の二段階で許可。
FIコンサルは「業務要件→SPROカスタマイズ→権限制御→運用マニュアル」まで一気通貫で設計できることが求められる。
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次回は 「FBRA:入金消込後の取消と再オープン」 を解説予定です。



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